法律事務職員向けに裁判所・検察庁・法務局・公証役場と
関わる際の注意点を解説!

2023年12月26日

事務職員として法律事務所で勤務すると、裁判所や法務局等とのやりとりを日常的に行うことになります。
このページでは、法律事務所の事務職員が裁判所・検察庁・法務局・公証役場と関わる際の注意点についてお伝えします。

裁判所編

法律事務職員が最も関わることが多いのが裁判所です。
裁判所との関わり方についてのポイントを確認しましょう。

裁判所への外出時に気を付けるべきポイント

裁判所へは、訴状や準備書面の提出や受領などで外出することが多いです。
その際のポイントには、次のようなものがあります。

・事件番号と当事者名は必ず把握しておく

裁判所の窓口では、事件番号と当事者名を伝えて書類を提出したり受け取ったりします。
そのため、事件番号は必ず把握しておきましょう。

・お昼休みは避ける

裁判所にもお昼休みがあるので、平日12時~13時は避けるようにしましょう。
裁判所によっては時間外受付をしているところもありますが、基本的には土日祝日は閉庁しているのでその点注意が必要です。

・裁判所に外出する際の持ち物

書類の受領や訂正時に職印が必要です。
また、印紙や郵券を追納する時に、現金が必要となることもあります。
そのため、職印や現金を持参するようにしましょう。

裁判所との電話対応で法律事務職員が気を付けるべきポイント

次に裁判所との電話対応についてのポイントを確認しましょう。

・事件番号と代理人の立場を伝える

裁判所に電話をかける場合には、事件番号と原告・被告どちらの代理人事務所から電話をかけたかを伝えるのが一般的です。
特に家事事件などでは同姓の当事者がいる場合があるので、当事者名はフルネームで伝えましょう。

・用件は担当書記官に伝える

裁判所に電話をする際は、担当書記官宛てに電話をしましょう。 裁判所には担当の裁判所書記官がいますので、事件についての用件は、まず担当の書記官に伝えます。

直接裁判官を呼び出すのは失礼にあたるので、弁護士から裁判官宛ての伝言を頼まれた場合でも、書記官を通して伝えます。

・正しく用語を使って正確に伝える聞き取る

正しい用語の使用と、伝える内容を正確に聞き取ることが大切です。
法律や裁判についての用語は厳密に決まっていますので、用語を曖昧に使用すると正しい伝達ができず、誤解や擦れ違いが発生し、混乱を招くことになります。

書類の提出期限などの聞き取りミスはその後の事件処理に影響を及ぼすので、注意が必要です。特に新人の時には分からない用語も多いので、分かるまで聞くことが大切です。

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検察庁編

刑事事件に関わる場合は、検察庁との間でもやりとりが発生します。
検察庁との間では次のようなことを注意しましょう。

検察庁へ外出する際に気を付けるべきポイント

検察庁へ外出する際に気をつけるべきポイントは次の通りです。

・書類の提出先を事前に確認しておく

検察庁の中でも、どのような書類を提出するかなどによって窓口が異なります。
あらかじめどの窓口に提出するのかを確認して赴くようにしましょう。

・弁護人選任届・職印・現金を持っていく

検察庁に行く際には、裁判所と同様に職印・現金を持っていくようにしましょう。
併せて、弁護人選任届のコピーも持参しましょう。

検察庁との電話対応で法律事務職員が気を付けるべきポイント

次に検察庁との電話対応で気をつけるべきポイントについては次の通りです。

・被疑者/被告人の氏名と罪名を把握しておく

裁判所との電話対応においては事件番号で事件の特定を行いましたが、検察庁では被疑者/被告人の氏名と罪名で事件を特定します。

そのため、電話で問い合わせる場合には、これらの情報を伝えてから用件を伝えます。
また、検察庁からの電話でも被疑者/被告人の氏名と罪名が伝えられるので、正確に聞き取るようにしましょう。

・用件は検察事務官に伝える

裁判所では裁判所書記官が各種連絡の対応をしており、それと同じように検察庁では検察事務官が各種連絡の対応をしています。
事件について連絡をする場合は、担当の検察事務官に伝えます。

・検番を確認しておく

問合せをした時に、検察庁の管理番号である検番を確認しておきましょう。
事件に関する記録を謄写する際に検番を把握しているとスムーズに行うことができます。

法務局編

法律事務職員は、登記事項証明書(登記簿謄本)の取得や供託などの業務を行う場合、法務局とのやり取りが発生するので、下記の点に注意しましょう。

法務局への外出時に気を付けるべきポイント

法務局への外出時に気をつけるべきポイントとしては次のようなものがあります。

・法務局の窓口に行くか、オンラインで手続きするかの判断

法務局では登記事項証明書の取得、供託や登記申請を行うことがあります。これらは、基本的にはオンラインで行うことができ、法律事務所であればオンライン環境を整えていることが多いと思います。

そのため、オンライン手続きで行うことが多いですが、即日で取得しなければならない証明書があるようなケースでは、法務局の窓口に行くことがあります。

・法務局へ外出する際は、事前に準備をしておく

法務局の窓口に行くケースは前項のように急いで手続きをおこなうケースです。
そのため、事前に準備をしておきましょう。

例えば、供託は法務局の出張所では取り扱っていないことが多いので、供託を行う際には供託を取り扱っている法務局かどうかを事前に調べる必要があります。
供託金の支払を行う際には、供託金の納入を法務局で行う場合と日本銀行又はその代理店となっている銀行に納める場合があります。

あらかじめその法務局がどのような運用をしているかを確認し、スムーズに手続きが行えるように準備をしておきましょう。

法務局に電話する際、法律事務職員が気を付けるべきポイント

不動産登記事項証明書を取得する際に、地番照会や必要書類の確認を行うなど、法務局に電話をすることがあります。
しかし、電話でどこまで答えるかは、法務局の運用次第になり、回答をもらえないことも多いです。この場合にはFAXで照会したり、直接法務局に出向く必要があるので注意が必要です。

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公証役場編

遺言書や離婚協議書を、公正証書にする際は公証役場を利用します。
公証役場とのやりとりでの注意点は次の通りです。

公証役場への外出時に気を付けるべきポイント

公証役場へ外出する際の注意点は次の通りです。

・公証役場へ外出する場合の持ち物

公証役場には、公正証書などの書類の受け取り、公正証書遺言の有無の検索、公正証書等の証人となる、などの場合に行くことがあります。
どのような手続をする場合でも、公的な身分証明書の提示を求められるので、必ず持参するようにしましょう。

この公的な身分証明書は、弁護士会が発行する法律事務所事務職員身分証明書ではなく、運転免許証やマイナンバーカードが必要となります。
また、職印ではなく公的に届け出ている印鑑が必要となることもあるので、事前に訪問する公証役場に確認し、持参しましょう。

場合によっては使者として訪問する法律事務職員本人の認印が必要となることがあるので両方持参しましょう。

・公証人が居るかどうかを事前に確認しておく

公証人は公証役場外での職務もあり、常に公証役場に居るとは限りません。
そのため、事前に確認をしてから訪問するようにしましょう。

・受付時間に注意

公証役場は平日17時まで空いています。
しかし、お昼時の12時から13時は窓口が対応をしないことがあったり、17時まで空いていても受付時間はもっと短いこともありますので、時間に余裕を持って訪問するようにしましょう。

公証役場に電話する際、法律事務職員が気を付けるべきポイント

公証役場に電話する際、法律事務職員が気をつけるべきポイントを確認しておきましょう。

・公証人と直接やりとりをするので注意

公証役場に電話をする場合、公証人と直接電話でのやりとりすることもあります。
そのため、失礼のないように丁寧な話し方を心がけましょう。
公証人の敬称は「先生」を用いることが一般的です。公証人からの問い合わせで、対応しきれない場合は、担当弁護士に対応を依頼するのが良いでしょう。

まとめ

このページでは、法律事務職員が裁判所・検察庁・法務局・公証役場と関わる際の注意点をお伝えしました。

法律事務職員として必ず関わる裁判所・検察庁・法務局・公証役場ですが、どのような注意が必要か確認しておきましょう。
外出のスケジュール管理や、担当している事件に関する情報をすぐに確認できる状態にするなどしておくと、対応や管理が非常に楽になります。

法律事務所に特化した業務管理システム ロイオズを利用すれば、外出時でのスケジュール確認、案件把握などもスムーズに行えるので、ご興味のある方はぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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