法律事務所の統計情報について

2022年07月07日

統計情報

法律事務所と弁護士の数について

日弁連の統計によりますと、2023年弁護士の数は44,916人となっており、19.8%の8,901人が女性の弁護士です。
弁護士の半数近くの22,721人が東京三会(東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会)の法律事務所に所属しており、大阪の5,022人を大きく上回ります。
法律事務所の数は19,270事務所です。
うち7,243事務所が東京に集まっています。
弁護士の数が半数以上東京に集まっているにもかかわらず、法律事務所の数が1/3なのは、東京では多くの弁護士が複数名の事務所に所属しているからです。
逆に地方では弁護士が1名で行っている事務所のほうが多い傾向にあるといえるでしょう。
弁護士の中には企業内弁護士として働く人もいて、2023年6月には3,184人の弁護士が企業内弁護士として活躍しています。
また、任期付き公務員として働く弁護士もいて、2023年6月には243人が任期付き公務員として働いています。
2022年は一年間で2,679人の弁護士が新たに登録した一方で 、登録を抹消した弁護士の数は668件となっており 、登録する人の数が2007年の2,285人をピークに減り続けているものの、登録を抹消した弁護士の数は数年500人台となっていることから、弁護士の数はまだまだ増えると見られます。

法律事務所と弁護士法人の違いついて

法律事務所と弁護士法人にはどのような違いがあるのでしょうか
法律事務所は、弁護士が所属する事務所のことをいいます(弁護士法20条)。
一方で弁護士法人とは、弁護士法3条に規定されている弁護士の業務を行うことを目的とする法人をいいます(弁護士法30条の2第1項)。
両者の最大の違いは、法人格の有無で、弁護士法人は法人格があるので法人名義で依頼を受けますが、法人格のない法律事務所は、あくまで弁護士個人が依頼を受けることになります。
また、弁護士は二箇所以上の法律事務所を設けることはできません(弁護士法20条3項)が、弁護士法人は本店・支店というかたちで複数の拠点を持つことが可能です

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法律事務所の分類について

法律事務所の運営方式や得意分野によって次のような分類がされます。

  • 総合法律事務所
  • ブティック型法律事務所
  • 渉外法律事務所
  • 外資系法律事務所
  • 特許法律事務所

総合法律事務所

総合法律事務所とは、あらゆる分野の業務も行うスタイルの法律事務所です。
民事も刑事も企業法務も行うという事務所です。
通常は弁護士が複数名所属していて、それぞれが特定の分野に強みをもっており、事務所として相談に来てくれればどのような分野でも対応可能ということが多いです。
日本中に支店を持つ弁護士法人のほか、地方都市では県庁所在地にある一番大きい規模の事務所であることが多いです

ブティック型法律事務所

ブティック型法律事務所とは、特定の分野に強みをもった業務を行うスタイルの法律事務所です。
債務整理に特化・交通事故に特化、といった個人法務に関する事務所のみならず、労働問題に特化した法律事務所やインターネット問題に特化した法律事務所など企業法務に関する事務所でも存在します。
取り扱う幅は狭くなるものの、特化している特定分野の案件についてハイレベルな業務に携わることができます。

特許法律事務所

特許法律事務所とは、ブティック型法律事務所の中でも、特許などの知財問題に特化した事務所のことをいいます。
弁護士が取り扱う案件の中でも、知財に関しては理系の知識が不可欠で、特許法律事務所に所属する弁護士は、もともとは理系出身であることが多いです。
事務所の中に特許などの知的財産権の各種手続きを取り扱う弁理士が所属していることも多いです。

渉外法律事務所

渉外法律事務所とは、海外に関する法律問題など、国際業務を取り扱う法律事務所をいいます。
グローバル化にともなって、海外に進出する事務所や、海外の会社と業務提携する事務所が増えています。
このような場合に、現地の法律に関するリサーチや、契約の代理、海外での訴訟業務に対応するというニーズに答えています。

外資系法律事務所

外資系法律事務所とは、外国に本拠がある事務所の傘下にあるなどの事務所のことをいいます。
こちらもグルーバル化によって外国から日本に進出する事務所も増えています。
そのため、外国の大規模な事務所が日本での活動の拠点とすべく設立している法律事務所が外資系法律事務所です。
会社について「外資系」というと資本関係があることを指しますが、法律事務所については必ずしも資本関係があるわけではありません。

大手事務所と中小事務所について

弁護士白書2023年版によると、全国に18,276件ある法律事務所でも、101人以上弁護士がいる事務所はトップの西村あさひ法律事務所の650人を筆頭として11事務所となっています。
一方で、弁護士が1人の事務所は、11,299事務所と約61%あり、弁護士が2人の事務所3,159人の事務所を合計すると、約78%となり、大部分の法律事務所は弁護士が1名ないし2名のみの事務所といえます。

法律事務所の事務員について

法律事務所の事務員については正式な統計がないのですが、大阪弁護士会の事務職員の求人のページ(URL:http://www.osakaben.or.jp/web/09_jimuin/area.php?code=01)を参考にすると、弁護士1人につき1名~2名の事務職員が雇用されています。
なお、債務整理を中心とした個人法務において、弁護士1名につき事務職員が5人以上雇用されているようなケースもあります。
また事務所の規模が大きくなると、弁護士のサポートを担当していた事務職員が兼任していたような、会計・経理、IT、マーケティング担当のスタッフが常駐することもあり、その場合には必要となる事務職員の数も増えることになります。
事務所の中の業務効率化がうまくできれば、少ない事務職員の数で業務を回すことが可能です。

弁護士法人の数

弁護士法人の数は2023年3月31日段階で1,598件となっており、2013年以降は毎年100件前後の弁護士法人が新しく設立されています。
東京三会に所属している663件で約30%の弁護士法人が東京に集まっています。
1,598件の弁護士法人のうち、支店の設置をしている弁護士法人は482法人、支店は961箇所設置されています。

まとめ

このページでは、弁護士に関する基本的な情報について、弁護士白書を引用しながらお伝えしました。
特に東京では約半数の弁護士が引きめき合っている状態で、競争が激しいことをデータでイメージできたのではないでしょうか。
弁護士業界全体を見ても毎年増え続けている状況ですので、他の法律事務所との差別化を測ってきちんと収益を出せるようにする必要があります。
法律事務所の差別化の一つの方法として業務効率化が挙げられ、より少ない事務職員の人数で、顧客満足度の高い仕事ができるようになります。
ロイオズは業務効率化のためのクラウドツールで、法律事務所の業務に特化したものです。 ぜひご利用をご検討ください。

参照データ

https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2023/1-1-1.pdf
https://www.osakaben.or.jp/web/09_jimuin/area.php?code=01
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2023/1-1-4.pdf
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2023/1-1-5.pdf
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2023/4-2.pdf
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2023/4-4.pdf
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2021/1-4-1.pdf
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2023/1-4-2.pdf

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