法律事務所に限らず、事業を運営していくにあたって、「リスク管理」は欠かせません。
法律事務所ではどのようなリスク管理を行うべきなのでしょうか。
このページでは、法律事務所におけるリスク管理についてお伝えします。
リスク管理とは
リスク管理とは、想定されるリスクが発生しないように、防止策を策定し実行することをいいます。
法律事務所に限らず、事業を運営していくにあたってはどのような業種でもリスク管理は必要とされます。
リスク管理と危機管理の違い
リスク管理と似た言葉に、危機管理がありますがどのように違うのでしょうか。
危機管理とは危機が発生したときに、影響を最小限にしていち早く危機状態から脱出・回復をすることを指します。
リスク管理は予防であるのに対して、危機管理は事後処理になる点が異なります。
リスク管理が不十分で起こりうる損失
リスク管理が不十分の場合、企業は大きな損失を受ける可能性があり、法律事務所では下記のような損失が考えられます。
- 利益相反により弁護士会から懲戒処分を受ける
- 顧客の個人情報が漏洩して責任を問われる
- 依頼者からのクレームや悪い口コミがSNSやインターネットで広がる
法律事務所でのリスク管理のポイント
法律事務所においてリスク管理をする際に気をつけるポイントはあるのでしょうか。
法律事務所の運営で想定される損失の原因ごとに検討してみましょう。
利益相反が起きないようにするポイント
法律事務所で気をつけるべきリスクとしては、利益相反(コンフリクト)があります。
すでに依頼を受けている方などを相手方として受任することは、弁護士法25条・弁護士職務基本規程27条28条に違反する行為であり、たびたび懲戒処分の対象にもなっています。
複数の弁護士が所属する法律事務所では受任している案件の数が多く、自分が直接関わっていない案件が存在する場合があるため、利益相反にならないように十分に注意しましょう。
利益相反が起きないようにするポイントをご紹介します。
依頼者、事件関係者の情報の一元管理
過去の依頼者や事件関係者の情報が一つのツールで管理されている場合、利益相反の確認作業をスムーズに行うことが可能です。
事務所全体の案件情報を一括管理できるツールの導入を検討しましょう。
依頼者の個人情報が流出しないようにするポイント
次に気をつけるべきなのは、依頼者の個人情報の流出です。
弁護士は守秘義務が課せられており、従業員である事務員が依頼者の個人情報を流出した場合でも責任を問われます。
守秘義務に違反する行為と認められた場合は懲戒処分を受けることがありますので注意しましょう。
依頼者の個人情報が流出しないように、下記のことを行うとよいでしょう。
事務所の外へ情報を持ち出さない
期日出廷の際に事件ファイルを持ち出すなど、業務上の都合で、個人情報や機密情報を事務所の外に持ち出す必要がありますが事務所の外に持ち出す行為そのものが、紛失や盗難による漏洩のリスクを高める行為となります。
そのため、不必要に外に持ち出さないことが重要です。
持ち出さなければいけない場合は細心の注意を払って管理するようにしましょう。
私物の機器を事務所へ持ち込まない
私物のPCやUSBなどに個人情報のデータを入れるのは危険ですのでやめましょう。
USBを紛失する可能性や、PCにウイルスが入り情報漏洩が起こる可能性があります。
そうならないために私物の機器を持ち込むことを持ち込まないルール作りが大切です。
事務所外で口外しない
事務所外で案件について口外することで情報漏洩や守秘義務違反に繋がることがあります。
事務所の中でしか案件や依頼者の話はしないということを徹底し、事務所内でも担当者間でのみ案件の話をするようにしましょう。
依頼者からのクレームや悪い口コミを減らすためのポイント
最期に気を付けるべきリスクはクレームや悪いクチコミです。
クレームが多く、ネットに悪いクチコミばかり書かれてしまうと新規の依頼者が減ることに繋がってしまいます。
依頼者からのクレームや悪いクチコミを減らすために顧客満足度アップを心がけましょう。
顧客満足度を上げるポイントについて、下記を参考にしてみてください。
電話対応などの応対の品質・マナーを上げる
電話対応や面談対応などの応対の品質を上げることは顧客満足度のアップに繋がります。
依頼をする方は何かしらのトラブルを抱えているケースが多く、不安を感じている方が多い傾向にあるため、丁寧に応対することが重要です。
管理システムを導入して案件管理を適切に行う
法律事務所では多くの案件を扱うため、抜け漏れによって案件の進捗が遅れてしまうケースがあります。
進捗の遅れはクレームに繋がりやすいため、管理システムを導入して適切な案件管理を行って抜け漏れを防ぎましょう。
まとめ
このページでは、法律事務所におけるリスク管理についてお伝えしました。
利益相反、個人情報漏洩、依頼者からのクレーム・クチコミへの対策など、法律事務所においてリスク管理は必要不可欠なものです。
リスク管理について十分に行えていないのであれば、しっかり見直すとともに法律事務所向け業務管理ツールの導入を検討してみましょう。
ロイオズは、法律事務所向け業務管理ツールとして事務所の規模に応じた利用ができ、リスク管理のために役に立つ機能を搭載していますので、無料トライアルをご利用ください。