法律事務所の運営の効率化を検討するにあたって、顧客管理は重要な要素です。
法律事務所における顧客管理にはどのような意味があるのか、効率よく管理するためにはどうすればいいのか、弁護士の先生・事務所の運営担当の方は日々頭を悩まされているのではないでしょうか。
このページでは、法律事務所における顧客管理についてお伝えします。
法律事務所での顧客管理の現状について
法律事務所では現状どのような顧客管理をしていることが多いのでしょうか。
法律事務所といっても、債務整理や交通事故など特定の案件を大量受任しているような事務所から、弁護士が1名~数名で運営をしているところまで、多種多様な事務所があります。
債務整理や交通事故などを大量受任しているような事務所であれば、事務所でエンジニアを雇用して独自の顧客管理システムを構築しているところもあるでしょう。
一方で、小さな事務所では未だに紙のファイルやエクセルで管理しているところもあります。
顧客管理とは
顧客管理とは、顧客に関する情報を管理することをいいます。
顧客の名前や連絡先などの基本情報から、過去の対応履歴や出入金などの情報も顧客情報として取り扱います。
法律事務所は顧客について、氏名や住所・連絡先などの基本的な情報はもとより、現在依頼を受けている案件や過去に依頼を受けた案件、誰に紹介されたか・その人が誰を紹介してくれたかなどの情報、受電・架電の履歴などを管理します。
これらの情報を効率的に管理することは、依頼をうけている案件について適正な業務処理をするのに必要不可欠かつ、顧客とのコミュニケーションをスムーズにしてくれます。
適切な顧客管理はミスを防ぐとともに、顧客に対するサービスの品質を向上することに繋がるつながるため、法律事務所経営においては重要な要素となります。
弁護士がまだ1人ないしは数人しかいない段階では 、紙やファイルベースでの管理でも問題ないと考える方も多いのですが、事務所を大きくしていこうという考えがあるのであれば、弁護士が複数になり顧客が多くなってから顧客管理をシステム的に行うべきではなく早い段階からシステム化しておくべきであるといえます。
顧客管理はエクセルでは不十分
この顧客管理を効率化するために、エクセルなどの表計算ソフトを利用して業務改善とすることがあります。
これは、年賀状などや事務所に関するお知らせなどの送付物を管理する程度であれば十分役に立つのですが、これだけでは不十分といえる可能性が高いです。
その理由には次のような理由が挙げられます。
管理が煩雑
エクセルはユーザーがそれぞれ管理をします。
その中で管理の方法を間違うと、適切な情報が保存されないという可能性があるのです。
たとえば、事務所の業務に関する情報をエクセルで管理しているとしましょう。
このエクセルシートを弁護士がコピーをして、弁護士だけが使うエクセルシートが別にあり、片方のみのエクセルが更新されていると、 事務所全体の情報と齟齬が生じるおそれがあります。
たとえば、顧問契約を結んでいる顧客の住所の移転があり、弁護士が自分のエクセルシートだけを変えて、事務所のマスターの情報を変えていなかったとしましょう。
顧客から何かしらの対応を依頼されて、弁護士が事務局に送付物を送るように指示をしても、住所の変更に気づかず一度戻ってきてしまうということが発生しえます。
弁護士が複数いて、それぞれが別のエクセルシートを使っていると、更新するたびに間違いが生じるおそれもあるのです。
表に載っている情報以上のものは確認できない
エクセルで確認できるのは表に載っている情報のみです。
たとえば、弁護士が外出中に急に過去に送付した書面の内容を確認したい場合があります。
その場合でも、エクセルの表を見ても確認できるのは表に記載されているもののみで、どのような内容の書面を作ったか、過去に顧客のためにどのような行動をしたのか、電話に関する受電・架電の記録などを確認することができません。
セキュリティ面でのリスク
事務所外で顧客に関する情報を扱うにあたっては、パソコンにパスワードをかけ・ウイルスセキュリティソフトをインストールする、などの管理をした上で、顧客管理のためのエクセルシートにパスワードをかけるなどの工夫をしていることも多いでしょう。
しかし、万が一このエクセルファイルが漏洩すると、顧客情報がまとまったものを一気に漏洩することになりかねません。
セキュリティ面でもリスクは大きいといえます。
法律事務所での顧客管理を導入するメリット
自分の事務所で開発を行うにしても、クラウド型の顧客管理等のシステムを導入するにしても、法律事務所で顧客管理システムを導入するメリットには次のようなものがあります。
情報一元化(情報集約)によって顧客に関する情報に容易にアクセスできる
顧客管理システムを導入することによって、情報が一元化され情報集約が可能となります。
そのため、必要なときに欲しい情報に容易にアクセスできるようになり、より顧客のニーズに素早く応えられるようになります。
顧客管理を事務所全体で行うことができる
事務所の顧客管理は特定の案件担当弁護士と担当事務員のみで行っているケースも多いです。
弁護士が外出中で担当事務員もいないというときに、何らかの対応が必要な場合に、顧客が本当にその弁護士の担当なのかどうかもわからない、ということも発生しえます。
顧客管理システムを導入すると、事務所全体で顧客管理を行うことができるので、急な対応が必要な場合や特定の人だけでなく全員が顧客情報を確認することが出来るので急な対応時や担当事務員以外でも対応できるようになります。
属人的な運用から脱却できる
法律事務所内の業務顧客管理がバラバラであると、どうしても属人的な運用に頼らざるを得ません。
同じ事務所なのにあちこちで顧客業務管理の方法が違うようなことがあると、業務に混乱をきたす可能性があります。
顧客業務管理システムを利用すれば、このような属人的な運用から脱却することができます。
クラウド型の顧客管理のツールのメリット
顧客管理ツールには自社で開発を行うほか、クラウド型の顧客管理ツールの利用が考えられます。
グラウド型顧客管理ツールには次のようなメリットがあります。
費用が安い
クラウド型顧客管理ツールのメリットの一つ目は、費用が安いことです。
クラウド型の顧客管理は、ある程度のカスタマイズの要素はありますが、基本的にはすでに出来上がっているものを利用します。
そのため、自社開発のように1から開発がいらないため、初期費用・管理費用ともに安く住む利点があります。
インターネットがつながっていればいつでもどこでも利用できる
インターネットがつながっていればいつでもどこでも利用が可能です。
クラウド型顧客管理ツールはインターネットを介して利用します。
そのため、インターネットが利用できる環境であれば、自宅や出先でも利用することが可能です。
拡張が容易
自社システムの場合にはシステムを動かすためのサーバーを用意する必要があります。
事務所の規模が大きくなってきて、システムを利用する人が多くなってくると、サーバーを拡張しないと利用できなくなるのですが、クラウド型のサービスはこのサーバーの拡張が容易です。
セキュリティ面のリスクにも対応している
インターネットでどこからでも利用可能ということは、不正利用・情報漏えいのリスクも高まるのでは?という疑問があるのではないでしょうか。
しかし、クラウド型顧客管理システムについては、送受信に高度な暗号化を備えているなどして、不正利用・情報漏えいにつながらないような工夫が必ず施されますので、安心して利用することが可能です。
まとめ
このページでは、法律事務所における顧客管理の目的や重要性についてお伝えしました。
法律事務所の運営において顧客管理は、より高いリーガルサービスの提供に不可欠なものです。
顧客管理システムには様々なものがありますが、法律事務所に特化したツールもあり、ロイオズはそのうちの一つです。
どのような機能があるか、是非ロイオズの公式ホームページをご確認ください。